世界文化遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」

国宝「中空土偶」は
3500年の時を越えて
私たちに何を語りかけているのでしょうか?

自然と共生しながら1万年以上続いた縄文文化は、日本人の価値観や自然観の形成にも深く関わっていると考えられています。

縄文文化の注目すべき特色、それは、

  • 自然に対して畏敬の念を持って、その恵みに感謝し、“ 獲りすぎない” 精神を保ち続けたこと
  • 農耕ではなく狩猟採集で糧を得ながら定住生活を行った世界でも稀な文化であること
  • 特に北海道では、縄文の精神がアイヌ文化まで受け継がれたこと

などです。

人間と自然の関わりが問い直されている現代、私たちは、こうした高い精神性を持った縄文文化を人類共通の貴重な財産として、しっかりと未来に伝えていかなければならないと考えます。

 

世界遺産を目指す北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群北海道には、国宝「中空土偶」をはじめとする価値の高い縄文文化遺産が数多くあります。2021年7月、北海道と北東北3県の17遺跡(構成資産)と2遺跡(関連資産)の縄文遺跡は、「北海道・北東北の縄文遺跡群」として、世界文化遺産に登録されました。

「知床」の世界自然遺産登録に次いで、縄文遺跡群の世界文化遺産への登録が実現し、道民の大きな誇りとなりました。

私たちは、より多くの方々に北海道の縄文文化の素晴らしさや魅力を知っていただくとともに、北海道に暮らす私たち一人ひとりが、縄文人の暮らしや生き方が、未来へ伝えようとしているメッセージをしっかりと受け止め、次の世代に引き継いでいきたいと考えます。

「北海道・北東北の縄文遺跡群」の世界遺産登録への歩み

・2002年 北海道・北東北知事サミットで「北の縄文文化回廊」づくりを北海道知事から提起
・2003年 北海道・北東北知事サミットで、世界遺産登録を視野に入れて取り組むことを合意
・2007年 「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群」として北海道・青森県・秋田県・岩手県の4道県と12市町が共同で、文化庁に世界遺産登録に向けての提案
・2009年 ユネスコ世界遺産センターの暫定一覧表に記載
・2009年 4道県共同推進体制「縄文遺跡群世界遺産登録推進本部」を整備(協定締結)
・2012年 北の縄文道民会議設立
・2019年 文化審議会世界文化遺産部会においてユネスコへの推薦候補として決定(7月)、閣議了解(12月)
・2021年 イコモスの勧告(5月)
・2021年、世界文化遺産に登録(7月)

関連サイト

世界遺産とは

世界遺産とは、地球の生成と人類の歴史によって生み出され、過去から現在へと引き継がれてきたかけがえのない宝物です。現在を生きる世界中の人びとが過去から引継ぎ、未来へと伝えていかなければならない人類共通の遺産です。

世界遺産は、1972年の第17回ユネスコ総会で採択された世界遺産条約(正式には『世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約』)の中で定義されています。2021年7月現在、世界遺産は1,154件(文化遺産897件、自然遺産218件、複合遺産39件)、条約締約国は194カ国です。

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