2021.11.23
【「北海道・北東北の縄文遺跡群」世界遺産登録記念フォーラム(12/4)】(結果を掲載しました)
「北海道・北東北の縄文遺跡群」の価値と魅力に対する理解を深め、
今後の活用方法について考えるフォーラムです。ぜひ、ご参加ください
1 日時 令和3年12月4日(土)14時~17時
2 場所 札幌グランドホテル「金枝」
3 主催等
・縄文遺跡群世界遺産登録推進本部
・縄文遺跡群の世界遺産登録を目指す北海道議会議員連盟
・北海道
・北の縄文道民会議
4 定員等 80名 事前申込制 入場無料
5 ライブ配信あり(事前登録不要)
6 詳細・お申込みは、道庁縄文世界遺産推進室サイトから
【開催結果】
当日の会場はコロナ対策をしっかりした上で、所定の80席は満席。
YouTubeでのライブ配信が同時に行われました。
開会にあたり、主催者を代表して鈴木直道北海道知事が、世界遺産登録の喜びを込めてご挨拶。演台の横には、世界遺産登録認定証が置かれていました。
また、高橋はるみ 文部科学省政務官(前北海道知事)も駆けつけご挨拶をいただきました。
第1部のテーマは「世界遺産としての縄文遺跡群」。
基調講演には、文化庁の鈴木地平調査官から、「世界遺産と北海道・北東北の縄文遺跡群の価値」と題し、世界遺産登録に向けたプロセスやイコモスの調査官の現地調査の裏話など、興味深いお話しをいただきました。縄文は「狩猟、漁労、採集を基本としながらも定住生活をしたことこそが、世界の常識を覆した」、これまでは、農耕が始まることで人々は定住を始める・・という常識だったそうです。
また、世界遺産の構成資産と関連遺産のある各地の学芸員さんが、各遺跡が縄文1万年の中のどの位置にあり何を伝えるものなのか、などを魅力と一緒に伝えてくださいました。
「垣ノ島遺跡」と「大船遺跡」を函館市の福田さん、「北黄金貝塚」を伊達市の永谷さん、「入江・高砂貝塚」を洞爺湖町の角田さん、キウス周堤墓を千歳市の豊田さん、「鷲ノ木遺跡」を森町の高橋さんが、それぞれ時折ユーモアを交えながら報告。遺跡を訪れ、もう一度、学芸員の皆様にお会いしたいと思える場面でした。
第2部のテーマは「縄文世界遺産のこれから」。
基調講演には、つくば大学名誉教授であり、世界じゅうの世界遺産の保全と活用にたずさわる稲葉信子先生から、「北海道・北東北の縄文遺跡群に期待すること」と題して、私達が、縄文遺跡群とどう向き合い何を伝えていくか、という大切な視点をいただきました。世界じゅうに1154件ある世界遺産の仲間入りをしたことの意味、地球の自然と70億を超える人々の記憶となったことの意味、新しい物語が地球という教科書に加わったということ・・などキーワードをいただいた上で、しっかりと活用し保全するモデルとなる責任があること、本物の力を伝えるInterpretagion の大切さなどをお話しいただきました。
その後は、観光の視点からパネルディスカッションが行われれ、阿部千春北海道庁特別研究員の進行のもと、池ノ上真一札幌国際大学教授からは、地域の方々や学生と一緒に「北海道・北東北の縄文遺跡群を旅するガイド」を制作し、道内の小中学校、高校などに「北の縄文道民会議」として寄贈したこと、JR北海道の田中洋一氏からはJR北海道が縄文遺跡を周遊するために実施しているキャンペーンの数々を、北海道運輸局の千葉真裕氏からはアドベンチャートラベルのモニターツアーを通じて感じた課題や視点などをお話しいただきました。
盛りだくさんのフォーラムでしたが、様々な角度から有意義なお話をいただきました。
縄文世界遺産の魅了や私達がそれぞれの立場で何をしていかなければならないか・・などたくさんの気づきがあり
ました。