垣ノ島(かきのしま)遺跡
- 時期:縄文時代早期(約9,000年前)から後期(約3,500年前)
- 所在地:函館市臼尻町
太平洋に面する海岸段丘上に立地する、縄文時代としては北海道で最大規模の集落遺跡。縄文時代早期から後期にかけての長期間にわたり、縄文人の生活の痕跡が残されています。国内最大級の盛土遺構があり、当時の記念物の多様性や早期の集落、墓制を示す貴重な遺跡で、垣ノ島A遺跡が垣ノ島川の左岸に、垣ノ島B遺跡が右岸にあります。
遺物も非常に多様で、土器や石器といった生活道具のほか、漆塗りの注口土器、足形付土版、装飾品など、これまでに20万点以上が出土しています。なかでも、足形付土版は厚さ1から2cmの粘土板に、1歳前後の子どもの足形を付けて焼いた土製品で、日本最古級の貴重な遺物です。土版は必ず1つか2つ穴が開いていて、紐を通すと吊り下げることができ、子どもの無事な成長を祝った証や、お守りやまじないとして使われていたとも考えられ、親の強い愛情が伝わってくるようです。