北黄金(きたこがね)貝塚
- 時期:縄文時代前期から中期(約6,000年から4,000年前)
- 所在地:北海道伊達市北黄金
道南の噴火湾を西にのぞむ海岸段丘にある、貝塚を中心とした集落遺跡で、面積はおよそ30平方メートル、貝塚は噴火湾最大の規模です。縄文時代前期の生活の様子、食料事情が分かるほか、縄文人の人類学的特徴を解明する人骨なども発掘され、たいへん重要な資料となっています。
貝層は最大で1.5mの厚さがあり、保存状態がたいへん良く、厚い火山灰層の下にはまだ未発掘のものがあるといわれています。
貝塚のほか、住居跡10軒、湧水池3カ所、人骨が残っている墓13基などが発掘されています。湧水池の近くには「水場」が設けられ、たくさんの土器や石器、骨格器などが発見されました。中でも、木の実をすりつぶすのに使った石皿、持ち手つきの磨石(すりいし)である「北海道式石冠(せっかん)」の量が多いのが特徴です。
発見された石皿や石冠は1,209点にもおよび、そのほとんどが壊れていることから、貝塚同様に使い終えた道具に感謝し、元の自然に戻す「物送り」の儀式が行われていたと考えられています。また、人骨が発見されたことからも、貝塚は神聖な「送り場」であったことが分かります。
現在は、貝塚や竪穴住居の復元が行われ、さらに石器の送り場が発掘された状態で見学できる史跡公園として公開されています。また、毎年8月末から9月初旬の日曜に「だて噴火湾縄文まつり」が開催されています。